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2024年11月22日
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台高 東ノ川~シオカラ谷(白崩谷下降)20130714

2013年07月19日
関西の沢ノボラーならば一度は行っておくべし。といわれる東ノ川(うのかわ)。
過去に東ノ川上流のシオカラ谷へは2度ほど足を運んだけど、東ノ川本流は未知の世界だった。

土曜夜にいつものコースで奈良入り。大台ケ原の駐車場に到着したのは午前1時の少し前。星が出て明日の天気に希望が湧くが、予報では午後の遅くから雨との事。
日本海にある梅雨前線の影響はここまで届かず、増水するほどは降らない・・と読んだが、はたしてどうなるか?
日曜朝は5時起床。空は快晴♪
朝食と準備を済ませ6時25分に駐車場を後にする。東大台口から遊歩道を辿り先ずは尾鷲辻に向かう。



尾鷲辻までの遊歩道は快適な高速道路。


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尾鷲辻の東屋の後ろに続く踏み跡に入る。所々不明瞭な個所があったが、問題なく堂倉山手前の鞍部へ。
右に進めば堂倉山の裾を巻いて白サコに進むが、どうせだから堂倉山にも立ち寄っておこう。



のっぺりとした山頂は原生林に囲まれ展望無し。
おおっと~、ここから先には道が無い!? 地形図の県境を辿るように藪の中を登山道へ戻る(笑
1414mの先にある鞍部に到着し小休止。今回の計画はここの枝谷から白崩谷を目指し下降し、東ノ川に入る予定。
堂倉山手前からもルートは読めるが、そちらは大滝の処理に時間を取られるとの情報だった。

7時55分、ガレガレのルンゼを下降開始。程なくして少しずつ水が浸み出すが、流れとならないうちに左から来る白崩谷本流に出合う。
「水や水や~!」と流れに入り体の渇きを潤す?

しばらく進み現れた滝は左岸を巻き下る。このあたりで、と見当を付けて近寄るが、下にもまだ続いているようでとても懸垂で降りる雰囲気ぢゃない。さらに左からグングン巻き下ると、そこには20mはあろうか、美しい滝の姿が。



全体で3段はあったようだが、ここからは見えない。

しんちゃんがしっかり2本の角が付いた鹿の頭蓋骨を発見。
お土産にとザックに差し、この後せんとくんと呼ばれることに。いやせんとくんぢゃなく麦わらの海賊の何だっけ・・?あれかも?

この後、谷の傾斜が緩むと伏流水となり、軽自車から小型トラックサイズのの巨岩がごろごろする。
文字通り左右往来。巨岩の迷路を下るのは足にくる・・一度巨岩の上で行き詰まり懸垂で下りた。
やがて再び流れが出てくると左岸から豊富な湧き水が。そして空にも雲が湧きだして雨が降ってきたがすぐ止んだ。



雨の中の仁王立



透明な流れのミニゴルジュとなり、ウオータースライダーを楽しんだり冷たい釜に飛び込んだり、楽しみながら下る。

11時45分、やっとこさ東ノ川出合いに到着!
ふぅ疲れた・・・って、今やっとスタートラインに立ったトコロぢゃん!

東ノ川遡行のスタート。雨は完全に止み青空が出ている。



出てくる淵は泳いだりへつったり、



何処までも続く大岩ゴーロを進むことこ2時間弱。
明らかに今までとは違う大きさの巨岩帯に突入すると、その中に東ノ川に入って初めて?滝らしい滝に出会った。



13時40分、これがアメ止めの滝10mか?
滝下でルート観察。流水の脇が行けそうだが最初の乗り越しが微妙。
右のフェイスの上部に残置シュリンゲが下がってるが、どう考えてもそこまで届きそうにない。
どーするか??と悩んだが、せんとくん・・いや、しんちゃんの「行けそうですよ」の一言でルートは決まった。
中段にバランスで乗りあがり苔生した流水の脇をどんどん進んでいく。アッパレ。

アメ止めの滝を越え安心したのもつかの間、その上で更なる巨岩帯に行く手を阻まれる。
淵を泳ぎ、左から右から、更には岩と岩の間の隙間まで探るが突破口が無い・・
諦めて右岸の樹林帯を巻く事にする。と、そこにはついさっき歩いたと思われる人の足跡があった。その踏み跡に導かれじきに明瞭な巻き道となった。
この頃時間は15時を迎えようとしていた。幾らなんでもそろそろ今夜の幕場を決めなくては。少し焦るがそう簡単にいい場所がある訳ではない。



対岸の正面には大蛇嵓の末端がそびえ立っている。

巻き道は再びこちらへどーぞ!と言わんばかりに巨岩が重なる河原に下りる。ならば!とルート探索するが先程と同じように行く手を阻まれ突破口を探し当てることが出来ない。
時間はもう15時を回った。この辺で手を打ちますか・・と左岸の流れから2mほど上の岩と岩の間に2人分の平地を見つけ今夜の幕場とする。

薪はそこそこに集まり、一段下がった河原で宴会開始!
今日一日よ~歩きました。このまま雨が降らず明日は快適で安全な遡行が出来る事を祈念しまして、カンパ~イ!



一本80円そこそこの偽物Beer(僕)と超高級本物Beer(しんちゃん)の乾杯の図(爆



今や定番となった感のある焚火焼肉に舌鼓を打ってると突然の雨・・
僕がタープのロープを張り直している間に止んだがそこそこ強い雨だった。
その後は雨もなく、快適な焚火の宴は21時半頃まで続き、タープの下で眠りにつくのであった。

月曜の海の日。5時に目覚めたが記憶の中では3時頃から蚊の猛攻を受けシュラフを頭からかぶり、暑さに耐えての眠り後半だった。やはりモスキーネットは必携ですね。
空はグレーの雲に覆われ、細かい雨が降っている。

焚火を呼び起こし、朝食の準備をしてるとしんちゃんも起きてきた。彼もモスキートの猛攻に悩まされていたようだ。

6時50分、お世話になった幕場を後にする。
今日の仕事始めはいきなりの高巻き。右岸の昨日下りた踏み跡を上部に辿るが、その先が無い。
う~ん、他の人はどーしたんだろ?やっぱあの巨岩帯を突破したんだろか?自分たちの未熟さを呪いながらズルズルボロボロの急ガレを横断し、藪の小尾根を越え、左からの大きなガレ場から再び河原に下りる。途中で一瞬、滝のようなもの(重なった岩から落ちるのぢゃなく)見えたような気がしたが、あれがエボシ滝だったのか?

軽自動車サイズの岩なら何千個はあろうか、大型トラックサイズどころか3階建ての家がすっぽり入るような巨岩がゴロゴロしているおよそ並の光景ではない中を左右往来、時には肩絡みでは届かず頭絡みで、時には拳の足場でと二人の共同作業。またある時はカムを突っ込むがアブミを車に置いてきたこを後悔し、次々と迷路を攻略していく。

そして谷が左へ曲がるとそこには素晴らしい景観が広がった。



地獄釜滝25mだ。
ツルンツルンの岩壁の窪みを一直線に深い釜に落ちる姿は圧巻でしばらく見とれるが、いつまでも見とれてちゃ逝けない。突破は右のルンゼを登り巻いたが、ルンゼ上部の岩の乗り越しがイヤラシかった。

まだまだ巨岩は果てしなく続く。もう足が重く、進むスピードはかなり遅い(汗

そしてそれは現れた!
じぇ?じぇじぇじぇ!?



これまでデカイデカイとビックリしてた巨岩の数十倍はある超巨大な岩が、広い谷幅いっぱいに塞いでいる。まさにマンションサイズの超巨大チョックストーンだっ!
しばし唖然・・としてはいられない。突破口を探さなくてはいけない。
左はどうか?右は・・?右下に黒くポッカリと空いた流れのある岩の隙間が見える。近付いてみると・・



まるでケイビング(笑 
挟まった岩の下の流れに体を突っ込み、後は右側のホールド豊かな登りであっけなく超巨大CSを越えることが出来た。

この先も相変わらず巨岩の雨あられ。もう全身が疲労気味だぁ(汗
広い谷が正面で壁になっている。見上げると遥か上には西ノ滝の上段が!10時08分、やっと西ノ滝が拝める場所までやってきたようだ。
少し谷に傾斜が増したか?岩の重なりに角度が増したような・・
やがて西ノ滝に近づき、谷がグイッと右に曲がると西ノ滝と中ノ滝との合流点。これを過ぎてシオカラ谷に入ると水の流れは1/3に。
そして僕の進むスピードも1/3に・・(笑



豪快な西ノ滝150mを正面から見えるまあたりで登ってきた。
右には中ノ滝245m。その向こうには大岩壁千石嵓の大展望。この辺りで大休止。
シオカラ橋からづづく滝見尾根の末端には赤いロープが残置されていた。しかも藪から出て数mの岩場を下りる、何でこんな所に??って場所に。

シオカラ谷は相変わらず巨岩が重なるが、進むにつれて谷が狭まりゴルジュの渓相となる。



もう淵が出ても泳ぐ気力がない。。しかし泳がなきゃ先に進めない!?
しんちゃんは疲れたと言いながらも出てくる課題に果敢に挑戦している。
僕はといえば難しい課題は見えない振りをして、出来るだけ簡単な個所を目がけて進む(笑
とある岩の乗り越しでは、気合いで登ったしんちゃんにシュリンゲで思い切り引き上げてもらう始末・・
あなたが居なけりゃあたしゃ前に進めない(泣笑



高倉滝15mと麦わらの一味。

今日の高倉滝は水量が少ない。泳いで取り付きシャワーで・・と登る気力もなく左岸を巻く。
小さく巻くつもりが何故か笹藪を進んで進んで、この上の滝まで巻いてしまう。
巻くほうがしんどいんだがな実際。。

更に小滝を越え、前回秋田のakatomo君が快心の登りを見せた大きな淵の2mへ。



ここも前回の水量の比ではなく可愛いもの。足元のホールドが丸見えで、前回よりも簡単に攻略。
今思えばこの淵が長い2日間での最後の泳ぎだった。



やがて谷が開けて、明るく視界が広がると13時56分、東ノ滝25mのお出ましだ。
滝に接近し記念撮影。
ここは右の岩壁に続くバンドが斜上出来るらしいが、我々は登って来た岩場をクライムダウンして、更に谷を少し戻り左岸のズルズルルンゼから滝見尾根の登山道に這い上がった。

少し進むと東ノ滝の落ち口。ここから再び谷に下りると・・



2日間の旅のフィナーレ、シオカラ橋までの150m滑床の始まり!
美しい滑床を進むこと数分でつり橋に到着。
いつもここはハイカーで賑わってるが、今日は天気もあまりパッとしないからか誰一人いなかった。
14時31分、静かなゴールで麦わらのしんちゃん(違うって!)と熱い握手を交わすのであった。

しかしゴールのシオカラ橋は真のゴールではない。
ここから西大台遊歩道の階段を登っての大台ヶ原駐車場までが辛い辛い。
しんちゃんに遅れる事10分後の15時10分、全行程のすべてを終了した。

大台の駐車場は冷たい風が吹き、むちゃくちゃ寒かった。
ヒーターを効かせた車に乗り込み、前から気になってた吉野の中華料理屋で打ち上げして帰路についたのであった。
しかし下界はやはり暑かった。あの駐車場の寒さは何だったの?

いつか行きたいと思ってた東ノ川。西ノ滝、中ノ滝だけなら滝見尾根を利用してのシオカラ谷のみでもよいが、やはり一度はこのどこか日本離れした凄いスケールの谷も経験しておくべきだと実感した。
二日間お付き合いいただき、そしてあらゆるシーンで助けて頂いたしんちゃん、有難っ!


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