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2024年04月26日
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伯耆大山 外輪山8座縦走 20141123

2014年11月29日
久しぶりに山行きに使える連休が出来たので、以前から狙っていた伯耆大山の東側に屏風のように立つ山々を歩いてきた。

土曜の夜、9号線を西へ向けてひた走る。日付が変わる寸前に下山キャンプ場の駐車場に到着し、テント内にて一人深夜の宴ののち就寝。

23日朝、テントを片付けて管理棟の裏手にMTBをデポさせて頂いたら、車に乗り込んで下山キャンプ場を後にする。大山環状道路を東へ約30分移動し、船上山ダムの傍にある鳥取県青少年山の家の駐車場に車を停めさせて頂いてここで朝食と準備を済ませたら行動開始。
7時40分、先ず船上山へ向かって歩き出す。
この時北の空にグレーの雲があり少し雨がパラついた。今日は晴れのち曇りのはずだろ、まさかねぇと思っていたのだが・・・


紅葉真っ盛りの船上山

よく整備された遊歩道を進むと断崖をまとった船上山の姿が正面にドーン!特異な風景ですな。

拍手[3回]


そのまま遊歩道を進むと先ほど車で通った大山環状道路に突き当たり船上山の登山口となる。ここの駐車場には朝には無かった車が一台。どーも先行者があるようだ。
道路をまたいで登山道を進むが10分も歩かないうちになんと本降りの雨が・・オーマイガァー
今日は晴れのち曇りぢゃなかったのっ!?
しばらくの間木の下で雨宿りしてスマホで雨雲レーダーを確認すると、降ってるのこの辺りだけぢゃん!止むのを期待しながらこの後の行動の思案する。。
とりあえず船上山、いや、勝田ヶ山までは行こう。その後の事は状況見てそこで考えようと雨具の上だけ着て行動再開。完全に出鼻をくじかれた感じ・・・・


雨に煙る船上山避難小屋

急登をスローペースで進み8時55分船上山避難小屋に。雨は小降りになるものの濃いガスの中で数十m程しか視界は無い。
船上山の山頂は曖昧なようで最高地は無さそう。この辺りのどこかに615.4mの三角点があるようだが、探す気力もなくスルーすることに。まぁ一応1つめを通過って事で・・・
ここからは森の中のなだらかな登り。雨は止んだようだ。雨具を脱いで少しペースを上げて進む。


船上神社

9時11分、船上神社に到着し参拝。

船上山とは鎌倉時代、隠岐に流された後醍醐天皇が隠岐から脱出した後に、幕府側との戦いに勝利するまでの約80日間ここで立てこもったと云われる場所。先日の三之公カクシ平といい歴史の裏舞台を垣間見れる場所ですな。

相変らず濃いガスに巻かれた登山道を、木々が風に揺られて落とす滴に濡れながら黙々と進む。急登になると粘土質の足場がズルズル滑る。


勝田ヶ山

10時49分、木々に囲まれて全く視界のない・・まぁ木々に囲まれてなかったとしても濃いガスの中なのだが・・勝田ヶ山に到着。
雨宿りしてたぶん時間はロスしたがペースはまぁまぁか。雨は止んだし明日の事は今夜発表の天気予報で判断するとして先に進むことにする。今のところ明日も曇りのち晴れの予報だけど最悪雨なら一向平か川床に下りるとするか。
山頂を後にして直ぐ、ここまで綺麗に整備されていた登山道が一変した。深い所では胸辺りまである太い笹に覆われ、掻き分けるように進まなくてはいけない。しかもその笹は雨に濡れているのでアッという間にずぶ濡れ必至・・10m程進んで引き返し、三角点に足を置いて雨具上下を着込んで笹漕ぎ開始。藪の中に続く登りを黙々と進むと11時34分それは現れた!


ガスの中に浮かぶゴジラの背

おおっ!これが噂に名高いゴジラの背かっ!つーかもっと長いのかと思ったら案外短かったのね。
雨に濡れて滑りやすい岩が折り重なる稜線に一歩を踏み出す。両側は100m以上の断崖絶壁!のはず・・真っ白でな~んも見えないから高度感もなんも感じられない。がっ、滑ってバランスを崩したらこの世とはおさらばなのには変わりないので慎重に進む。しかしホント濡れた岩場にビブラムソールは良く滑るわぁ。


ゴジラの背を越えるとその先が甲ヶ山山頂だった

11時44分、甲ヶ山1338mに到着。
眼下に広がる真っ白な世界の下には、この夏遡行した甲川があるはず。山の読みは「かぶとがせん」で川の読みは「きのえがわ」。甲川を遡行した年には是非「きのえがせん」に登りたいと思っていたのだ。失礼ながら甲ヶ山はずっと「きのえがせん」と思ってた(爆)
ここでザックを下ろしてゆっくりランチとする。


時々僅かにガスが晴れる

ランチを済ませると行動再開。この時地形図も確認せずに来た方向の反対に、つまり真っ直ぐ矢筈山方向に向かってしまった。直ぐに道が無くなる・・これはおかしいと左右往来するがどこにも道が無い。するとガスの向こうから先行者らしい人の話し声がする。ここを降りたのか?いやそんなはずは無いだろう・・そうこうしていると神の御加護か?ガスが僅かに晴れて辺りの景色が見渡せた。こんなとこ降りれるワケ無いぢゃん!足がすくむほどの断崖絶壁の真上に立っていたのだ(汗
地形図を確認すると破線は山頂を回り込むように描かれている。まさか・・山頂から少し戻ったら確かな三又が。。来るとき完全に見落としていたようだ。
正しい登山道を進むがそちらもなかなかのルートで数十mの緊張する岩場の下降だった。何本かFIXロープがぶら下がっていたが、そのうちの一本は親指ほどの立木に括られていて使うのをためらってしまった。
無事に岩場を下降して藪っぽい尾根上に付けられた道を進んで矢筈ヶ山の登りに掛かる。


再び濃いガスに巻かれる


本日4つ目のピーク

13時19分、矢筈ヶ山1358.4mに到着。
右には大山がドーンと見える・・はずだが。。相変らず展望は無い。
長居してもしょうがないのでさっさと大休峠に向かおう。


ガスの晴れ間に大山の姿が

矢筈ヶ山を後にすると、時々ガスの切れ間に大山の姿が拝めた。
ヌタ場の多いなだらかなアップダウンの道を進み、最後に100mほど標高を一気に下ると前方から賑やかな話し声が聞こえて来る。どうやら大休峠に到着したようだ。


大休峠避難小屋

14時ちょうど、2人の登山者が出発準備している避難小屋の前に立つ。小屋の中からは大人数の賑やかな声が聞こえている。
甲ヶ山を下ったところで真新しいザックカバー拾ったのだが、もしかしてこの2人組の物かと聞いてみたら大正解。無事に持ち主に届けられてよかった。
30分ほど辺りをうろついたあとで小屋の中を覗くと、山仲間の忘年会だとの事。ちょうど宴会が終わった頃だったのか?それとも僕が現れたので場所を空けてくれたのか?急がせたようで申し訳なかったがあの賑やかだった小屋の中が一気に片づけられて、残ったのはご年配の男性と僕の二人きりとなった。

男性は先ほどの団体のお仲間らしく、昨日からここに来て今日は忘年会に参加。今夜ものんびりとして明日ゆっくり下山されるという。この方とは翌朝まで四方山話等楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

部屋の端を確保したら早速泊りの準備。しかし今日はいきなりから心が折れる忍耐の山行だったと振り返り、プシュッっと一本目のプルタブを開けて慰労会に突入。
この時期陽が落ちるのは早い。薄暗くなった17時頃にメインディッシュの特製鶏塩鍋で一杯やって、仕上げのラーメンっ!・・を探すがどこにも無いっ・・・しまった、入れ忘れたかorz (滝涙
明日は曇りで夜に雨との事。予定通り行動することにしよう。
19時半頃まで本を読んで過ごし就寝。
深夜2時頃トイレに起きる。ついでに外に出て空を見上げると満天の星空だった。



24日朝は5時に起床。
ゆっくり朝飯の時間を過ごし、準備を済ませてストレッチ。同宿の男性に別れを告げて6時に大休避難小屋を後にする。
頭上にはまだ星が輝いている真っ暗な登山道だが、30分も歩けば明るくなるだろう。今日の日の出は6時48分。野田ヶ山のピークで日の出を拝めれば最高だろう、とヘッデンの明かりの下黙々と歩き出す。
徐々に辺りが明るくなってくると、登りも徐々に傾斜が増してくる。そして東の地平線がオレンジ色に染まって来た。
6時38分、野田ヶ山1344.0mに到着。日の出前に到着できたが山頂からは灌木に阻まれてここで拝むのは無理だ。少し戻って10分その時を待つ。


神々しい光景

今日一日無事に過ごせますように、ご来光を拝む。


大山モルゲンロート

進む方向には大山がドーンとそびえ、先日降った雪がオレンジ色に輝いて見える。
野田ヶ山を越えて少し下ると登山道は痩せた細い尾根に続いていて足元が急に悪くなる。


親指ピークを越える

極め付けは親指ピーク!尾根から10m程か?鋭くとがった小ピークが行く手を遮る。登山道はこの鋭いピークをまともに越えているのだ。高所恐怖症ぢゃなくてよかったと思える瞬間だった。

親指ピークを越えて細尾根を進みしばらくすると振子山への登りになる。
7時31分、振子山1452m山頂。振子沢が目の前に!雪の無い時期は初めてだ。またスキーで訪れたい場所。
少し下ったあとは溝の底ような急登、後は開けたガレ場の登りで象ヶ鼻まで250mの標高差を一気に登る。今日は何だか足が軽いよ~な気がするぞ。


象ヶ鼻からの展望

8時ちょうどに天狗ヶ峰とユートピア小屋への分岐の象ヶ鼻に到着。天狗ヶ峰方面へ少し登り360度の大展望を独り占めした!
昨日全く展望のない濃いガスの中を越えて来た峰々と、これから向かう三鈷峰が目前に迫っている。

さぁ、駒を先に進めよう。ユートピア小屋には用が無いのでスルーして真っ直ぐ三鈷峰へ向かう。


左には大山北壁がドーン

宝珠尾根へ続く三叉路を過ぎると三鈷峰への痩せた登りとなる。この道も断崖の上に続くスリル満点の登りだ。
ここの登りで今回の山行で初めて ”歩いてる登山者” に遭遇した(笑


三鈷峰山頂

8時21分、登山者2名が休憩している三鈷峰1516mに到着。ここも360度の大展望だ。このあと向かう宝珠尾根が眼下に続いている。
先ほど追い越した方も登って来て4人の賑やかな山頂となった。
3人とも今朝大山寺から登って来たそうだが、この時間にここにいるってことはまだ暗いうちから登り出したんだろうね。あれこれおしゃべりしてから一足お先に三鈷峰を後にする。

上宝珠越までのトラバース道には雪があった。これから徐々に冬に向かっていくんだな。軽アイゼンの準備はしてきたけどまだ必要なかったようだ。でもやはり今回のコースは今週が最後のチャンスだったかな。
上宝珠越辺りで大山北壁のガレか崩れ落ちる不気味な音が幾度となく聞こえた。
激下りを下る頃に数名の登山者とすれ違い中宝珠越えへ。


登山道はブナ林の中に続く

中宝珠越えを過ぎると辺りは徐々に西日本最大と言われるブナ林が広がるようになる。木肌が太陽に照らされて白く輝き眩しい。
どーも今日は昨日と正反対で予報が良い方向にハズレたようだ。

下宝珠越に着く。左に行けばよく踏まれた大神山神社へ下る道で、真っ直ぐ続く道は少し藪っぽいがこっちが今回最後に目指すピーク宝珠山。標高差50mの最後の登りだ。


宝珠山山頂

9時34分、今回の山旅最後のピーク宝珠山1183mに到着。
ブナ林の向こうに微かに見える大山を眺め、行動食を摂りながら大休止。


中の原スキー場

宝珠山を後にし、相変らず藪っぽい道を下ると中の原スキー場に。
リフトの準備はすっかり終わり後は雪が降るのを待つだけのようだが、脇に並んでいるこの奇妙なマシンは人工降雪機かな?もうそろそろ稼働開始の頃だろう。
歩き難い斜面をぐんぐん下って大神山神社へ向かうコンクリートの遊歩道に入る。


大神山神社奥宮

10時18分、大山信仰の中心地大神山神社奥宮へ。ザックを下ろし参拝する。
日頃のお見守りに感謝し、今回の山行の無事のお礼と今後の山行の無事を祈願。
ここから先は観光地となり、大山寺へ続く自然石の石畳を観光客に交じって足早に進む。
この時間登山者の姿は皆無で、泥だらけの靴に汚いウエアで歩いてると浮いてる感じだ。。
大山寺の山門を横目に見て門前町を歩き、大山寺橋を過ぎたら下山キャンプ場はすぐそこ。
10時44分に到着して無事にMTBを回収する。

さぁ、ゴールはまだ先だ。船上山ダムまでガンバロウ!


中の原スキー場の上が宝珠山

MTBにまたがり11時に下山キャンプ場を後にする。
出発直後、門前町を過ぎたらいきなり急な登り。ヒーヒー喘いで登り切るとそこは中の原スキー場で宝珠山が直ぐ上に見える。
更にゆるい登りを過ぎるとやっと下りに。
河床登山口の駐車場を脇目に車道のワインディングを爽快にダウンヒル。サングラスを持ってこなかったことを悔やみながらも・・・


メルツェーデス ウ二モグの残骸発見!!


秋全開の大山環状道路

一息坂峠を越えると再び気持ちいい下り。甲川を遡行した後しんちゃんと二人歩いた道を今日は一人MTBで下る。
船上山方面へ右折したら少し下り、あとはダラダラとした登りが続く。
甲川の流れを見下ろす鶯橋から紅葉の中を黙々とペダルを漕ぐ事20分、船上山登山口の駐車場に到着。ここから船上ダムまでの遊歩道に入る。最初の急な階段はMTBを担ぎ、その後のシングルトラックをダウンヒルするがスリックタイヤなのでオフは飛ばし過ぎに注意!
下山キャンプ場から1時間20分、12時18分に船上山青少年自然の家駐車場に無事帰還。
ここですべての行程を終了した。

今回は歩き始めて直ぐに雨にたたられ、その後雨は止んだもののガスの中で全く展望無しの一日目。しかし快適な避難小屋での一晩と快晴に恵まれた二日目。おかげで計画通り全八峰を巡ることが出来た。
苦しい事のあとにはイイ事もあるって事だな。これも人生と同じ?
そして財布にモノを言わせてタクシーで戻れば楽なものをMTBで出発点に戻るという達成感満載の山行だった。

大山の帰りはお風呂が乏しい。中山温泉が一番近いが帰り道とは反対側になる。しばらく我慢するとして9号線に乗って約50分、日本のハワイである羽合温泉で日帰り入浴ができる旅館「羽衣」の湯(600円)に浸かって疲れを癒し帰路についた。
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